工法の利点
- 山留壁の変形及び、周辺の地盤沈下を小さくする。
- 切梁の弾性変形、切梁継ぎ手及び腹起等のなじみを取る。
- 切梁架構全体の剛性を上げる。
- 切梁の解体時において、ジャッキの作動により安全かつ迅速に解体することができる。
- 根切りによって発生する土圧に対して、切梁架設後あらかじめ設計土圧に近い軸力を導入するため、山留架構全体の安全性がチェックできる。又架構の一部に不備があれば修正が可能であるため、非常にメリットがある。
プレロードエ事の具体的な加圧方法
- A 出隅・入隅および上下段の火打ちがつながっている場合
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- すべての下段切ばりおよび出隅部または火打ちがつながっている上段の切ばりを同時に配管する。
- 下段切ばりは導入荷重の100%、出隅部または火打ちがつながっている上段の切ばりは50%加圧し、ロックナットを締める。
- すべての上段切ばりを配管し、100%導入する。
- 注)上段切ばりにあらかじめ蛇行防止アングルが取り付けてある場合は、上下段を同時に加圧することができる。
- B 火打ちにプレロードジャッキが取り付けられている場合
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- 大規模な現場の場合は、すべての下段切ばりと火打ちを同時に配管する。
- 下段切ばりは導入荷重の100%、火打ちは50%加圧し、ロックナットを締める。
- 上段切ばりと火打ちを同時に配管し、100%導入する。
- 注)原則として上下段と火打ちを同時に配管、加圧する。各プレロードジャッキに1台ずつコントロールユニットを使用しているので、上下段切ばりと火打ちの導入荷重が異なる場合でも加圧可能である。
- C 細長く短辺のみ切ばりがかかっている現場の場合
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- 1段分のすべての切ばりをセットしてから、プレロードジャッキをいっせい加圧するのが理想であるが、 掘削に合わせて分割してプレロードを導入する場合(図参照)は、(1)〜(4)を配管し(1)〜(3)を100%、(4)を50%加圧してロックナットを締める。
- 次の切ばりがかかったら(4)〜(7)を配管し、いっせいに100%まで加圧する。
さらに(8)以降も切ばりがある場合は(7)を50%にしておく。
- D 集中梁の場合
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- 集中梁の場合は、1台のコントロールユニットからホースを分岐して1か所の集中梁の切ばりを同時に加圧する。
- 一般的にはガセットプレート加圧の前に取り付けておく。
- 切ばりどうしの横つなぎがある場合は、加圧の後に取り付ける。
- E 1本の切ばりにプレロードジャッキが2台取り付けられている場合
(切ばり長が長い場合)
- プレロードジャッキのストロークは400H用の場合150mmなので、切ばり全長が50mを超える場合は、プレロードジャッキを2台使用するのが一般的である
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- 一般的には片側のみ配管加圧し、ストロークがなくなったら反対側を加圧する。
- 土圧の管理がきびしい現場の場合は、両側を同時に加圧する。